今からおよそ15年前の20代後半、右側の卵巣嚢腫(チョコレート嚢胞)の摘出手術を受けました。
そのとき気になったのは、今後の生理はどうなるのかということ。
先生からは、「一つ卵巣を取っても、残りの一つがちゃんと排卵するようになる」と言われて少し安心したものの、実際は不安でした。
残った卵巣が、失った右卵巣の分まで排卵するのであれば、早々に生理が来なくなってしまうんじゃないかと心配だったからです。
私は妊娠&出産経験はないので、それについてのお話はできませんが、ずっと基礎体温や体調管理メモを取ってきたため、術後15年間の生理は正常だったのかどうかを書きたいと思います。
同じように、片方の卵巣摘出手術を受けて、その後の生理がどうなるのか心配な方に、一つの体験談として読んでいただけたら嬉しいです。
腹痛の翌日、緊急手術
手術は突然でした。ある日の仕事中に腹痛が起こり、それがだんだん強くなって、夜には横になろうとすると息もできないぐらいの激痛が走るようになりました。仕方ないので座ったまま一晩を過ごし、翌日近所の病院へ。
息も絶え絶え、泣きながら診察を受けている最中に、あまりの痛みのせいで一瞬気を失って倒れてしまいました。「これはおかしい」と救急車で大きな病院に運ばれ、さまざまな検査を行なうことに。
最初は盲腸やおなかの病気を疑っていたようですが、婦人科にうつされ、どうやら卵巣が原因だということがわかり、当日中に緊急開腹手術をすることになりました。
状況を説明されたあと、担当の先生から右卵巣の一部を取るか全摘出するかを聞かれ、「もし全摘出したとしても、残った片方がちゃんと排卵してくれるから大丈夫ですよ」といわれたので全摘出することに決めたのでした。
無事手術は成功しましたが、通常は親指大くらいの卵巣が握りこぶし大ぐらいに腫れていて、さらに茎捻転を起こして出血し、お腹に1リットルもの血液が溜まっていたそうです。
きっとそれまでも何か前兆があったのかもしれませんが、20代後半でまだ若かったので、体調よりも仕事やプライベートを優先して気付いてなかったんだと思います。
基礎体温で体調管理
術後の生理状況をお話をする前に、基礎体温のお話を少しだけしておこうと思います。
ご存知の方も多いと思うので、もうつけてるよ、知ってるよ、という方は飛ばしても大丈夫です。
基礎体温は毎朝目が覚めたらすぐ、起き上がったりせずに横になったまま測ります。婦人体温計として販売されているものは普通の体温計とは少しだけ異なり、舌下にくわえて測るタイプで、「36.54℃」など数値が細かく表示されています。
通常は生理から排卵までが低温期、排卵から生理までが高温期となり、「基礎体温表」という専用の表に記録していくと、低温期と高温期の二相の折れ線グラフができます。
基礎体温の数値は人によって差がありますが、私の場合は低温期は36度台前半、高温期は36度台後半から37度台になることもありました。
受診の際にこの表を見せて、生理は来ているもののグラフに二相の変化が見られないときは「無排卵月経ですね」といわれます。
基礎体温表は婦人科で希望すればもらえますが、ドラッグストアなどで販売しているものや、ネットで無料で印刷できるものもあるので、気になる方は「基礎体温表 ダウンロード」などで検索してみてください。
基礎体温は女性の身体のリズムを知るのにとても便利ですが、毎朝測るのは慣れるまで面倒ですよね。布団の中で測るのでそのまま二度寝しちゃいそうになるし。目覚ましのスヌーズは必須です。
私の使っているものはごく普通の婦人体温計です。2年ほど前にドラッグストアで1,700円くらいで購入しましたが、Amazonで1,045円になってました(2022.07)。
もっとハイスペックなものだと、より短時間で測れたり、検温を記録してくれたりするものもあるようです。⇒Amazonで婦人体温計を探す
基礎体温表は病院で見せる必要がなければ、自分だけがわかれば良いのでアプリでも大丈夫!
私は「ルナルナ」を、まだ月額制だったころから愛用していますが、排卵予定日や生理予定日などを知るのに便利です。
生理に伴う体調や気分の変化があるため、事前に予想が付くのはとても助かりました。入力するほどにだんだん生理予定日の精度も高くなっていく気がします。
卵巣がひとつだけになっても、生理はちゃんと来る
卵巣嚢腫になる前も、生理が遅れたり、基礎体温の変化がない「無排卵月経」だったりしたことはあります。
手術後も生理が遅れたりすることはありましたが、毎月診てもらっていて大きな問題もなかったため、担当の先生がいなくなるタイミングで月1の病院通いを卒業しました。
無事手術を終え、早15年。たまに生理周期が長くなることはあっても2か月以上来ないということはなく、基本的には基礎体温の変化があって排卵のある通常の生理が来ていました。
妊娠については実体験としての経験がないので残念ながらお伝えすることができません。また、妊娠するには排卵以外の要因もさまざまあるかと思うので、生理が来ているから絶対妊娠できる!というわけでもないのだと思います。
ただ、卵巣を一つ摘出しても正常な生理は来るので、妊娠の「可能性」はそれまでどおりにある、ということかなと思っています。
卵巣が一つなくなることによって排卵が起こらなくなる、または無排卵月経が増える、ということはありませんでした。
まとめ:体って不思議
卵子の数は決まってるとか、毎月左右の卵巣から順番に排卵すると聞いたことがあったので、閉経が早まったり、生理が2か月に1度とかになるのかと思っていました。でも…
結論、卵巣が一つになっても、それまでと同じように生理は来る!
少なくとも15年はほぼ正常に来ています!!というお話でした。
とはいえ、体調の変化があれば診てもらった方が良いですよ。
私のように、「病院行ったら即手術だった」ということのないように……。
不安だったあのときの私に教えてあげたくてこの記事を書きましたが、妊娠できるかどうかまでは経験がなく、答えてあげられませんでした。ごめんね、20代の私。
これから卵巣嚢腫の手術を受ける予定の方、手術後の排卵が心配な方の参考になったら嬉しいです。