ある夏突然、団地1階に住む私の部屋に、2㎜くらいの小さいアリが出没するようになりました。
ネットで調べてみると、どうやら『イエヒメアリ』のようです。
最初は見つけるたびにティッシュでつまみ取っていたものの、毎日見かけるので不審に思っていたら、そのうち壁の木枠(?)と畳の隙間から小さいアリンコがぞろぞろ出入りするようになりました。
初年度は業者さんにお願いしたものの、それ以降毎年出てくるようになってしまい、以降は市販のアリ対策グッズで自分で対処。
9年間戦ってきたのですが、今年は今まででもっともイエヒメアリを見かける数が少なく、一旦勝利をおさめました!
そこで、最初にイエヒメアリが出たときのことやその後の状況、使用した駆除剤などをご紹介します。
現在イエヒメアリに悩んでる方は、よかったら参考にしてみてください。
イエヒメアリとヒメアリの違い
ある夏、初めて部屋に現れた約2㎜の小さなアリの正体をネットで調べたところ、「イエヒメアリ」「ヒメアリ」という2つの似た名前が出てきました。
それぞれの特徴を簡単にまとめます。
イエヒメアリ | ヒメアリ | |
体長 | およそ2~2.5㎜ | およそ1.5~2㎜ |
体の色 | 淡黄色~褐色 光沢はない | 黄褐色で腹部が黒い 全体的に光沢がある |
巣の場所 | 家の中に巣をつくることが多い | おもに家の外 |
食べ物 | 雑食性 | 雑食性 |
ネットの写真では、ヒメアリは明らかに腹部だけが黒く艶やかで目立っていたのですが、我が家で見かけたアリは、腹部の黒さは目立たず、全体的に茶~薄茶色をした2㎜程度のアリで、イエヒメアリの特徴にとても近いです。
そのため、イエヒメアリと断定しました。
イエヒメアリは巣に女王アリが複数いるため、繁殖力も高いとのこと。
また、両方とも人の皮膚を刺すこともあるそうなので、見つけたらなるべく早く駆除するのが正解です。
ちなみに私は「イエヒメアリに刺された!」と認識したことはありませんが、暖かい季節になると、皮膚がプチッと腫れて、謎のかゆみを感じることがよくあります。
ただしそれがイエヒメアリのせいなのかどうかは、いまのところ定かではありません…。
イエヒメアリの発生状況
イエヒメアリはいろいろな食べ物をエサとするそうなのですが、私の部屋で飲食をすることはなかったため、食べ物も一切置いていませんでした。
それでもなぜか、最初の年は私の部屋にだけイエヒメアリが発生してしまいました。
冒頭でもお話しましたが、最初は数匹だったので「たまたまどこかから入ってきたのかな」と軽く考えていたものの、ティッシュでつぶしても減るどころかどんどん増えてきて、しまいにはアリンコの行列ができるほどになり、プチパニックに!!
対処方法をネットで調べて、以下の駆除方法を試しました。
イエヒメアリ駆除で試した方法
効果があるもの、あまり感じられなかったものなど色々ありましたが、試してみたものを順番にご紹介します。
対処方法1:アリメツ
「掃除機で吸う」という手もありますが、なんとなく気持ち悪いし、見つけるたびに吸っていても根本解決にはならないため、ネットでやたらと評判の良かった『アリメツ』という駆除剤を、まずはAmazonで購入。
アリメツは液体の毒餌で、付属のトレーに液を垂らしてアリの通り道に設置します。
アリが持ち帰った餌を巣の仲間も食べることで、少なくとも24時間以内に中毒を起こし、巣ごと全滅させる駆除剤だそうです。
商品に記載されている「効果のあるアリの種類」にはイエヒメアリの名もあり、実際に毒餌トレーにはわらわらとイエヒメアリたちが集まってきて、多少は数が減ったような気がしました。
でも結果からいうと、このときは満足のいく効果が得られませんでした。
めちゃめちゃ集まってくるものの、その状態が何日も続き、即効性が感じられなかったのが大きな理由です。
トレー自体は小さいのですが、液体なので室内でうっかりこぼれると困るし、白いトレーにアリが群がっている絵面もキツイ。
毎日イエヒメアリを見るたびにどんどん気持ちが憂鬱になっていき、アリのいる部屋では寝たくないので居間に簡易的な寝床を作って眠るようになりました。
心身ともにキツイので、一刻も早く解決するべく「アリメツ作戦」は早々に切り上げ、次の手を打ちました。
対処方法2:業者に駆除を依頼する
団地住まいのため、とりあえず管理事務所にアリの被害を相談すると、実際に状況を見に来てくれましたが、「うちでは業者を紹介することしかできない」とのことだったので、業者さんに頼むことにしました。
駆除の当日、業者さんが来て畳を上げ、その下にある木の板を外し、床の下に入って地面に薬剤を散布(我が家は1階です)。
イエヒメアリの通り道になっている室内には、毒餌の入った容器を5個ぐらい設置して終了です。
後日、施工内容の画像をいただいたのですが、タイトルには「黒蟻駆除」と書かれていました。
黒アリ用でも効果はあったようで、その後1年間はイエヒメアリを見ることはなくなり、平穏な日々が戻ってきました。
イエヒメアリ駆除を業者に頼んだメリット・デメリット
メリットはただ一つ、
- その日からイエヒメアリを見なくなったこと!!
精神的に苦痛だったので、本当に救われた気持ちになりました。
デメリットは2点
- 最初に聞いていた金額の倍かかった
- 1年後には再発したため、費用対効果はあまり良くない
管理事務所の方に聞いていた最初の金額は、確か2万円くらいだったと思うのですが、実際にはその倍近くの金額を請求されました。
あれ?とは思いましたが、アリがいなくなった喜びが大きかったので「まぁいいか」と思ったのと、施工日当日、私自身は仕事で家に居なかったため、あとからわざわざ連絡してお金のことでやりとりするのが面倒だったので深くは追究しませんでした。
もしかしたら管理事務所の方が金額を勘違いしていたのかもしれませんし、勉強代だと思って忘れることにしました。
ただこれから業者に依頼する方は、事前にしっかり見積書を提出してもらうことをおすすめします。
対処方法3:ドラッグストアのアリ駆除剤
業者さんにお願いして「もうイエヒメアリに悩まされることはないんだ!」と思っていたのに、早くも翌年、気温が高くなってきた頃にまたヤツらを見かけるようになりました。
しかも私の部屋だけでなく、居間、キッチン、洗面所、お風呂場など、家の至るところに現れるようになりました…。
心底がっかりしましたが、毎年数万円もかけ続けられないので業者には頼まず、ドラッグストアで効果がありそうなものをいくつか試してみることに。
上の写真の「アリメツ」以外は、すべてドラッグストアで購入しました。
左上辺りの桜の形をしたものは、パッケージを処分してしまいましたが『フマキラー カダン ウルトラ巣のアリ退治 』という商品です。
『イエヒメアリ用』の専用駆除剤は特に売ってなかったので、何でもいいからアリ退治できるものをとりあえず買ってみました。
この中のいくつかを試した感想をご紹介します。
1.『スーパーアリの巣コロリ』
イエヒメアリは際限なく次々と現れるので、「巣ごと退治しないと意味がない!」と思い込んでいたため、最初は毒餌一択でした。
アリが好きそうな餌で誘引して毒餌を巣に持ち帰らせ、巣にいる仲間もそれを食べて巣ごとやっつけるタイプの駆除剤です。
試してみたのが『スーパーアリの巣コロリ』です。
しかし、イエヒメアリは体長2㎜程ととても小さいので、黒アリ用の顆粒タイプの毒餌では大きすぎるようでした。(以前私が購入したものは顆粒のみでしたが、現在販売しているものは顆粒とジェルの2種類のエサがセットになってるようです)
そこで、顆粒の餌を小さくすりつぶして、イエヒメアリたちが持ち運びしやすいように工夫。
それでもたった2㎜の小さい体でよろめきながら「エッサ、ホイサ」と大きな餌を運んでる姿は、ちょっぴり可愛い…。
しばらく様子を見たものの、顆粒タイプにはアリメツほど集まってくる様子もなく、即効性も感じられなかったので、中断しました。
イエヒメアリは吸蜜性との情報もあります。
固形でも多少は持ち運んでいきましたが、実際は液体の餌のほうが好みなのかもしれません。
2.『シロアリアース』
もうとにかく即効性が欲しかったため、次はスプレーで一気にやっつけることにしました。
これが大正解!!
私が選んだのは『シロアリアース』です。
『シロアリアース』というネーミングから、イエヒメアリにはどうかな?と思ったのですが、適用害虫はシロアリのほか、キクイムシ、羽アリ、アリ、ムカデ、ゲジゲジ、ワラジムシとのことで、普通のアリにも効果があるなら、と試してみることに。
イエヒメアリは畳と壁の隙間などから侵入してきているようだったので、手が届く範囲の家中の隙間にスプレーしてみました。
すると、スプレーをしたあとはほとんどイエヒメアリを見なくなりました。
シロアリアースの何が気に入ったかって、殺虫はもちろんですが、予防効果が12ヵ月もあるということです!
イエヒメアリを見かける期間は、我が家では長くても5、6ヵ月間くらいなので、充分です。
今のところイエヒメアリのシーズン前と、それでも出てきてしまったときなどに年1~2回程度スプレーしておけばいいので本当にラク!
ついでに木材の防腐成分と防カビ成分も含まれているので、湿気が多くてカビに悩まされている団地1階住人にはうれしいおまけ効果でした。
1点、デメリットを挙げるとすれば、パウダー入りのせいかスプレーが乾いた後に木材や畳の縁が白っぽくなることです。
そこで、すき間にスプレーした後は、はみ出て濡れてしまった部分をティッシュで軽く拭き取るようにしています。
隙間以外の白っぽさは、生活しているうちにだんだん薄れていき、気にならなくなりました。
これ以降毎年、暑くなってくる頃や、イエヒメアリを見かけ始めたら即、スプレー!!
1本1000円もしないのに、まだ最初に買った1本で間に合っています。
業者に依頼する金額と比べたらかなりの節約になりました。
イエヒメアリ用ではないとはいえ、今のところ効果がしっかり感じられるので、しばらくシロアリアースを愛用し続けます。
3.『ウルトラ巣のアリ退治』
スプレーで充分だと思ってはいるのですが、実は昨年、家具の裏からイエヒメアリが大量発生してしまいました。
原因は、家具の裏には手が届かないため、スプレーができないから。
そこで、使わずに残っていた半練りタイプの駆除剤を置いてみることにしました。
コンパクトだし、形も可愛らしく、いかにも殺虫駆除剤!って感じもありません。顆粒タイプと比べると喰いつきもなかなか良かったです。
半練りタイプは柔らかいので、イエヒメアリたちが好みの大きさにちぎって持ち帰りやすいのでしょうか?
ただ、アリメツの時もそうでしたが、我が家に出てくるイエヒメアリは毒餌が効くまでにやや時間がかかるような気がします。
昨年イエヒメアリが大量発生したところには、以下のように対策しました。
- スプレーできるところにはシロアリアースをかけ、+毒餌も仕掛ける
- 出てきたアリはティッシュでつまみ取る、もしくは掃除機で吸いこむ
最初はあんなに嫌だったのに、多少であればもう掃除機で吸いこむことへの抵抗も減ってきました。
でも念のため、吸ったあとは掃除機のホースにビニール袋をかぶせ、生き残ったイエヒメアリがうっかり出てこられないようにしてあります(紙パック式の掃除機なので)。
昨年はテレビ台と食器棚付近にチョロチョロとイエヒメアリが出没し続けて、完全にいなくなるまで時間がかかりましたが、対策した成果はどうやら今年現れているようなのです(のちほど説明します)。
対処方法4:イエヒメアリの餌になるようなものに気を付ける
お菓子や小麦粉などの粉ものなどの袋の口は、今まで以上にしっかり閉めるようにしました。
頻繁に使わない食材はクリップで止めてからさらにジップ付きの袋に入れて保管するなどしています。
それから、特にイエヒメアリが気になる時期はこまめに掃除機をかけることです。
うちにある充電式の掃除機はあまり吸引力が良くないため、コード式の掃除機でしっかり吸い込むようにしています。
この9年でもっともイエヒメアリを見ない夏
今年は4月中旬にイエヒメアリを1匹見つけました。それからしばらくしてまた、床を歩いている1匹を見つけたのでさっそく本年度のスプレーをすることに。
そのあともう1匹だけ見ましたが、でもなんと、今年はその3匹しか見てないんです!!
イエヒメアリがもっとも活発な時期はまだ続くため油断はできませんが、でももう8月半ばなのに3匹しか見てないなんて、この9年で初めてです。
スプレーもそうですが、昨年施した半練りの毒餌とのW作戦が効いてるんじゃないかと思うんですよね。
もしそうだとしたら、とってもウレシイ。
……とかいって秋にキッチンに再発生したアフターストーリーと対策、2023年の状況はこちらからどうぞ⇒『今年のイエヒメアリ対策と昨年の補足』
自分で行なうイエヒメアリ対策グッズまとめ
イエヒメアリ駆除は業者に頼むのがいい、というのはもちろん周知の事実ではありますが、我が家の場合は即効性はあったものの次のシーズンにも普通に出てきてしまったので、費用対効果がいまいちだなと感じました。
ドラッグストアでは顆粒やジェル、半練りや液体などいろいろなタイプの毒餌や、スプレー、地面に直接まくシャワータイプなど、たくさんのアリ駆除剤が販売されています。
イエヒメアリ用というのは今のところ無いようですが、以前依頼した業者さんが黒アリ駆除として施工していたことや、実際にそれでイエヒメアリが出なくなったことから、黒アリ用の駆除剤でも効果があるのかな、と思っています。
毎年高い費用をかけて業者に頼むことはできないため、ドラッグストアの商品を活用したのですが、とても効果を感じたのが以下の2つでした。
- シロアリアース
- 半練りタイプの毒餌
とにかくすぐにイエヒメアリを見えなくしたい!というときには『シロアリアース』が効果的でした。
アリ駆除スプレーもいろいろあり、アリを寄せ付けなくする期間が2週間や2ヵ月間のものはあったのですが、シロアリスプレーのように12ヵ月間というものは見当たりませんでした。
シロアリ用でも試してみて良かった!!
毒餌は『フマキラー カダン ウルトラ巣のアリ退治』や『コンバット アリ用』を使用しました。
半練りの毒餌は、顆粒や液体のようにこぼれたりする心配がありません。
小さいお子さんやペットがいるご家庭でも、手の届かないような隙間に放り込んでおけるので、使いやすいかもしれませんね。
毒餌は効果が出るまでに多少時間がかかったものの、今年のイエヒメアリの少なさからすると、去年の対策によって巣ごとやっつけられたんじゃないかな?と思っています。
終わりに
イエヒメアリは、そのままにしておくと毎日相当数が現れるので、気分がダダ下がりになります。
出てきてしまったら、とりあえず見えなくすれば精神的に多少ラクになるので、一旦掃除機で吸っちゃうのもありです。
そのうえで、スプレー剤や毒餌のW攻撃をするのがいちばん良いかなーとこの長い戦いでわかりました。
ちなみにイエヒメアリの餌の好みは、巣によって違うことがあるそうです。
案外グルメなんですね。
喰いつきが悪い場合は何種類か試してみたり、餌にツナやカツオ節を混ぜる、なんていう裏技もネット上に出てきますので、良かったら検索してみてください。(私も、最初のアリメツにカツオ節を混ぜてみたりしていました)
自分で対策を重ねていても、爆発的にイエヒメアリの量が増えた、などという場合には業者にお願いするのがベストかな、と思います。
もしくは数年に1度くらいは依頼するとか。業者は費用もそれなりに掛かるので、メリハリをつけて上手に利用したいですね!
いまのところ我が家では何とかコントロールできそうなので、もうしばらくスプレーと毒餌、掃除機でイエヒメアリ対策を継続していきます。
少しでも参考になったらうれしいです!最後までご覧いただき、ありがとうございます。